夜ふかし録

クラリネットの条件検討

練習場所に応じた工夫

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レンタルスタジオや公設の練習場などは、木やタイルのゆかに石膏やモルタルの固い素材の壁でできていることが多い。こういった場所は響きがデッドすぎることもなく、お風呂のようにワンワン響くわけでもなく、管楽器の練習をしていて違和感は少ない。

 

 楽器の練習を想定していない場所で練習(時には本番)しなければいけないこともある。個人の家屋だったり、講演会をメインの使用目的としている講堂だったり。しばしば絨毯やカーペットのゆかで、時には分厚いカーテンや布張りの壁の部屋だ。こういった場所でクラリネットの練習をすると、演奏者の耳に入る音や吹いている時の感覚がスタジオのときと大きく違うことがあり、面食らうし、効率的な練習の妨げになりうる。

 たとえば私の場合、カーペットのゆかなどで音があまり響かない場所では、発音や音の維持に抵抗が強く感じる。これは実際の発音により多くの抵抗があるというよりは、反響音が少ないことでそう感じている可能性がある。反響しないことで雑音が目立つ傾向もある。これらが練習環境による違いであることに気づかないと、リードやアンブシュアに問題があると勘違いして、奏法的にドツボにハマってしまう可能性がある。

 

いちばんはそういった練習場所を避けて、スタジオのような練習しやすい環境で練習することだけど、毎回スタジオを借りるのにお金がかかるし遠かったりする。

 次善の策としては、カーペットのゆかなら市販のタイルマットでフローリングに近いものを手に入れて敷いてみるといいかもしれない。アイデアだけで、試していない。

 

 また、環境面で対策ができなくても、練習時にいくつかのポイントを意識することで、感覚を損ねずに効率的な練習が可能になるかもしれない。意識すべきポイントとしては、反響音を評価項目とするのではなく、入れた息に対する発音のレスポンス(タイムラグ、抵抗、発音に必要な息の量やスピード)を評価する。すると、奏法的に無理のない、自由度の高い状態での練習が可能となるのではないかと思う。

 

これはつまり、練習時に、その場で良い音に聴こえるように吹くのではなく、正しい奏法で吹くことが大切だということにもつながる。

いわゆる「そば鳴り/遠鳴り」、「響く音/響かない音」という問題とつながっているのだと思う。