夜ふかし録

クラリネットの条件検討

2022年2月の備忘録

クラリネットの話です。

 

マウスピースとリードと楽器の組み合わせというのは、けっこう流行り廃りがある。また、同じ奏者でも時期によって好みや、相性の良い組み合わせが変化することがある。

 

2022年2月現在の、自分にとってのひとつの見解を記録しておく。

 

RC系統

RC系統の楽器には5RVLyreあるいはB40Lyreを合わせて使っている。

リードは、5RVLyreにはバンドレン青箱の31/2。これだと当たりリードは少ない。

レゼルヴEvolutionでも悪くない。硬さ3.5で10枚中5枚くらいは使いものになると思う。

B40LyreにもレゼルヴEvolutionの3.5はある程度合うと思う。B40LyreにV.12の31/2の組み合わせは世間の評判も高く、安定感がある。

 

自分は長いあいだRCにB40をつけて使ってきたが、昨年入手したToscaと比べると、実は自分のA管RCにはB40は相性が悪いように思う。音の輪郭がつくりづらく、すぐ虚脱したような音になってしまう。

これは全てのRCにB40が合わないわけではなく、おそらく個体差なのだろうと思います。むかし大学オケ所有のRCを吹いたこともあるけど、その個体はB40でも問題なかったので…。

 

R13系統

つまりToscaだが、これにはB40、B40lyreを合わせている。リードはバンドレンV.12の31/2。

レゼルヴEvolutionでも良いと思うが、硬さは3のほうがおそらく歩留まりはいいだろう。

5RVLyreを合わせても決して悪くはないけど、少しキンキンした音色の傾向が強くなる気がして、好みではない。

 

追記

B40Lyreに、56 rue LepicやV21の3.5の組み合わせもひとつの選択肢になる。

これはRC系統、R13系統いずれでも使えそう。

BADウィーク

のっけから最悪の始まり方だった。

そのあとも悪いことが続いて身も心もヘトヘトになった。

 

望ましくないアクシデントが起こると心が折れそうになることもあるが、そこで感情に流されてしまうとまずい。さらなる悪いことを呼び込むことになりかねない。

アクシデントの対処で時間をとられ、寝不足になったりもするが、寝不足も回り回って悪いことを呼び込む。

 

残念ながら、悪いことが起こることは完全には避けられないので、起こってしまったあとにもコントロールできることを最大限コントロールすることが重要だ。二次災害を防ぐようなことだ。

 

それを可能にするのは最終的には気力体力なので、やっぱり体力はつけておいたほうがいいんだなぁ。

 

https://music.apple.com/jp/album/bad%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89/1604335159

 

宇多田の新作はかっこいいですね。どこか懐かしくもある。

 

なお、ジンクスはなんとなくある。

いちばん最近感じたジンクスは、OEKの交響詩「シェヘラザード」録音を聴くと緊急入院が入るというジンクス。そういうことが2回続いたので、いい録音なんだけどなんとなく聴きづらくなってしまった。

 

https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC-%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%B3%E3%83%95-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E7%B5%84%E6%9B%B2-%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%89-%E4%BB%96/345803578

個人的な体験とシン・エヴァ

『シン・エヴァ』を観た。(2回目)

 

考察は詳しい人が既にたくさんしている。

個人的な体験と重ねてその感想をメモしておくと…

 

ゲンドウはやはりユイに会いたかった、ということで、それ自体はもう旧劇から既知の事実だったのだけど、本人の口から思いが吐露されるシーンは個人的には切実に感じられた。

ユイを亡くしたあとの虚脱して絶望したゲンドウの描写は、愛する人を亡くし、のこされた人の反応としてこの描写は切実だった。冷徹な面の多いゲンドウも実は人間らしい人格をもっており、死別によって深く傷ついていた、ということである。

「父さんは母さんを見送りたかったんだね」というシンジの台詞も切実に感じられた。その気持ちが(息子という以上に、自分以外の人間=他人である)シンジに理解された、伝わったという点で、ゲンドウは救われていると思う。

死別を経験した人は、そもそも死別なんかしたくなかった、という気持ちとともに、死別するしかなかったにせよ「もっとちゃんと見送りたかった」という気持ちを抱くのではないだろうか。

唐突な死のあとに、狼狽・混乱のなかでお別れをするのは、そのこと自体が無念なのである。

なので、もう一度ユイに会いたい、という願いは、そもそもが切ないものなのかもしれない(お別れをいうための再会を願っているということなので)。

 

90年代の閉塞感をよく写した作品であり、20年の歳月をへて(作品内外ともに)変遷しながらついに完結したが、個人の問題に再びフォーカスして終劇した点で納得感があったと思う。

ToscaとAntonio Sanchez

Tosca

Toscaをお借りしている。

グリーンラインの楽器ということもあり、自分のPrestige/RCのABセットとはだいぶ印象が変わる。明らかな長所は、評判どおりのダイナミクスレンジの広さと、レガートのつながりやすさだと感じた。

Prestigeに比べて、発音時の抵抗はやや強めの抵抗を感じたが、これは材料の違い(グレナディラかグリーンラインか)なのかもしれないし、個体差かもしれない。さらには、自分が知らずにつくり出していた抵抗かもしれない。

自分のPrestigeは、普段からTosca、Divineのユーザーに試奏してもらったときも吹きやすいと言われてきたものなので、ストレスのない楽器なんだと思う。

 

理想的な音色が何なのか考えると、まずは明瞭で、それでいて重みがあり、つやのある音だと思う。軽やかさも大事な要素だが、これは音色というよりは、タンギングの質の良さに左右されるのではないかと考えている。

 

Antonio Sanchez

今までサイレントギターで練習してきたが、サイレントはサイレントであって限界がある。

義実家に眠っていたクラシックギターをお借りしたらAntonio Sanchezというメイカーのものだった。ギターの工房のことはよく知らない。弦を張り替えたら問題なく演奏できて、音程もよかったので、昼間の練習はこれでやることにした。

 

オリンピック雑感

よい点

  • 選手たちが晴れ舞台で力を出しきるさまは応援したくなる。
  • テレビで多くの試合をみることができるのも、よいこと

 

それ以外

  • IOC(国際オリンピック組織委員会)は不遜な組織なのではないか、と感じた
  • 開催国は多額の費用を負担するが、果たしてそれに見合う果実を得るのか疑問
  • 開会式は変だった。個々のパフォーマーの演技・質は良かったと思うが、全体としてはあまりよくわからなかった。
  • 今後は、オリンピック(特に開催)とは距離を置いて付き合うのが上策と思われた

椎名林檎の23年(後)

しばらくまじめにフォローしていなかった椎名林檎を、事変の新作発表をきっかけに後追いでフォローしてみようという話。

 

フォローしていなかった期間の主な作品は「日出処」「三毒史」の2つのソロアルバム。これらを購入して聴いてみた。

 

 

刺さる曲とそうでない曲がある。

 

目立つのは様々なホーンセクションの多用と、他のアーティストとのコラボレーション。それから英語詞(ときに仏語も)が明らかに増えましたね。

ホーンセクションは昔からこだわりがあるようで、マヨジュン(なつかしい)でのスカパラとのコラボもあったし、その後もSOIL&'Pimp' sessionsとの共演がたびたびある。オーケストラを含むようなアレンジの大型化は加爾基〜が最初かな?

 

加爾基〜のオーケストラアレンジはとても調和していた。「ポルターガイスト」なんかドンピシャです。新作のアレンジも凝っていていいんだけど、かなり盛り盛りの情報量過多というきらいもあり、個人的にはそろそろ引き算のアレンジ(編成)で聴きたいとも思う。いわゆるオーソドックスなロックバンドの編成でソロの作品がどうなるか、聴いてみたいのです。「絶頂集」みたいなね。

 

そして英語詞は、悪くはないものの、もともと椎名林檎は日本語詞の面白さが魅力の一つだと思うので、それがなくなるというのは残念に思う。音楽と詞のシナジーがなくなるとは言わないけど、日本語の場合と比べてパワーダウンは免れないと思う。(聞く側の英語力を言われると何も言い返せない)

勝訴ストリップ」所収の「浴室」と、仏語訳&オーケストラアレンジの"La salle de Bain"

だと前者の方がパワーがあると思うということですね。

 

…結局、現状批判みたいになってしまいましたが、今後の活動も楽しみに待ってさよなら、ということで。

 

 

椎名林檎の23年(前)

椎名林檎が好きで、2003年くらいからフォローしています。

東京事変も当然、アルバムを買って聴いており、「スポーツ」までは熱心なファンでした。

「大発見(ディスカバリー)」の頃は、むしろクラシックに興味の中心が移ったこともあってそこまでのめり込まず、それ以降ソロアルバムが出ても買わずになんとなく動向は追っている程度で、好きの温度は少し冷めてしまったかんじ。

 

今でも、かつてよく聴いた曲(群青日和や丸の内サディスティック、マイナーなところでは「乗り気」「絶体絶命」「SSAW」など )を聴き返すとやはりカッコいいな、と思うし、むしろ昔そんなに刺さらなかった曲も加齢の効能か、しみじみと良いな、と思うことがある(「体」「心」「黄昏泣き」など)。

 

事変が解散し、NHKとの結びつきが強くなった時期以降、作風の変化もあったように思う。

もはやいわくつきとなってしまった東京五輪にも、椎名林檎は演出チームとして参加していたので、そういう期待もあったけど、演出チームの解散でそれも幻となってしまった。

2020年は東京事変が「再生」し、今年は新アルバムもリリースされるらしい。タイアップのある新曲も数ヶ月おきにリリースされている。

配信を試聴してみると、「緑酒」なんかはオーソドックスなバンドサウンドが聴こえてきて、こういう曲もやるなら新作は買ってみようかなと思った。