夜ふかし録

クラリネットの条件検討

椎名林檎の23年(後)

しばらくまじめにフォローしていなかった椎名林檎を、事変の新作発表をきっかけに後追いでフォローしてみようという話。

 

フォローしていなかった期間の主な作品は「日出処」「三毒史」の2つのソロアルバム。これらを購入して聴いてみた。

 

 

刺さる曲とそうでない曲がある。

 

目立つのは様々なホーンセクションの多用と、他のアーティストとのコラボレーション。それから英語詞(ときに仏語も)が明らかに増えましたね。

ホーンセクションは昔からこだわりがあるようで、マヨジュン(なつかしい)でのスカパラとのコラボもあったし、その後もSOIL&'Pimp' sessionsとの共演がたびたびある。オーケストラを含むようなアレンジの大型化は加爾基〜が最初かな?

 

加爾基〜のオーケストラアレンジはとても調和していた。「ポルターガイスト」なんかドンピシャです。新作のアレンジも凝っていていいんだけど、かなり盛り盛りの情報量過多というきらいもあり、個人的にはそろそろ引き算のアレンジ(編成)で聴きたいとも思う。いわゆるオーソドックスなロックバンドの編成でソロの作品がどうなるか、聴いてみたいのです。「絶頂集」みたいなね。

 

そして英語詞は、悪くはないものの、もともと椎名林檎は日本語詞の面白さが魅力の一つだと思うので、それがなくなるというのは残念に思う。音楽と詞のシナジーがなくなるとは言わないけど、日本語の場合と比べてパワーダウンは免れないと思う。(聞く側の英語力を言われると何も言い返せない)

勝訴ストリップ」所収の「浴室」と、仏語訳&オーケストラアレンジの"La salle de Bain"

だと前者の方がパワーがあると思うということですね。

 

…結局、現状批判みたいになってしまいましたが、今後の活動も楽しみに待ってさよなら、ということで。