夜ふかし録

クラリネットの条件検討

B40とB40 lyre

クラリネットのマウスピースのお話。

 

名前の通り、この2つのマウスピースは、B40を基本に、ロングフェイシング化されたものがB40 lyreと捉えることができる。

バンドレンのカタログでは、B40はフェイシング:ML、B40 lyreはフェイシング:Lとなっている。一方、ティップオープニングはB40が1.195mm、B40 lyreは1.175mmと、B40 lyreのほうがやや狭く設計されている。

 

どちらも良いマウスピースで、ニュアンスに富んだ表現が共通する魅力だと思うが、この2つの違いをあえて例えてみれば、

カメラのフルサイズフォーマットとAPS-Cの違い

という感覚だと思った。(私見です)

 

どういうことかというと、B40のほうが音の情報量が多い気がするのだ(フルサイズセンサーと似ている)。B40は、マニュアルフォーカス(MF)のフルサイズカメラに似ている。

これは、B40から出てくる音はより幅広い成分を含んでいるかんじで、これを上手くコントロールできる技量があれば、音楽表現の情報量も幅広くできると感じる。フォーカスされていない部分のボケかたも大きいというのも共通点だと思う。そのかわり、AF(オートフォーカス)機能はついていない。

 

一方、B40 lyreはAPS-Cのように、ある程度の情報量を湛えていて、さらにAF機能がついていて取り回しがしやすい

AF機能がついているから、ピンぼけは最小限に防いでくれる。一方、APS-Cだから、フルサイズ機と比べると表現の幅はやや狭い。でも、プロユースにも耐えうる。

 

 

これはもちろんアナロジーで、しかもカメラと同様、「MFが常にAFより劣っている」とか「フルサイズが常にAPS-Cに勝っている」とかっていうことではない。

よく訓練されて、息のフォーカスがビシバシに合っている奏者であれば、B40でキレキレの演奏をするだろう(そういう人は特にプロに何人もいる)。

 

…ただ私の場合、もう楽団にも所属せず個人で練習することばかりで、練習も十分できているとは言えない素人だから、B40に魅力を感じつつも使いこなせていない。その感覚をたとえ話に表現すると、こういうふうになる。