夜ふかし録

クラリネットの条件検討

あ、暗くなった

またマウスピースの話です。B40とB40lyreについて。



B40は"Medium Long"のFacingと1.19mmのtip openingを持つマウスピースです。
これはfacing「ちょい長」、tip open「大」のスペック。

長いことB40一本できた反動か、大学入学以来ほかのマウスピースへの興味がモリモリ湧いてきちゃって、B40 2本のほかにM15, 5RVlyre88, B40lyreが手元にあります。

今日はB40lyreがどういった素性のマウスピースなのか気になって、Rico thick blank 3を中心にアイヒラーやローズをさらってみました。


さて、まずB40とB40lyreのスペック的な違い。

tip openingfacing
B401.19Medium long
B40lyre1.17Long

だいたいこんな感じ。
facingというのは長いほど出てくる音が暗くなる、というのが世間の認識です。
lyreはlong facingでありopeningも閉じ気味にすることでB40よりも硬めのリードが合いそうなスペックですね。
実際、B40でややしんどい硬さのリードでもしんどさを感じなかった。
でも、「やや」です。基本的に使える硬さのレンジは共通していて、lyreのほうが少し硬い側に広い、というイメージ。


ところでなぜthick blankを選んだかというと、RICO カタログ PDFに「thick blankはside railに比べてheartが厚いデザイン」という記述を発見したから。これはlong facingに適した特徴だとどこかで読みました(どこで読んだか忘れた)。ほかにはlepic 56なんかがこういうデザインですね。


そういう条件で吹いていたら後輩君が通りかかったので、聴き比べて感想をきかせてもらったら「B40lyreだと音がすげぇ暗い」とのこと!
「なんか、うつみたい」…とすら言われてしまった。
曲によって向き不向きがあるようで、サン=サーンスのソナタなんかだとlyreのほうが良いらしい。
ブラームスの交響曲第一番3楽章冒頭のsoloはふつうのB40のほうが良いらしい。
ふーん。
個人の好き嫌いもあるんでしょうが、そんなに印象が変わるんだったら使い分けない手はないぜ。これはいい武器をゲットした


主観的には、B40lyreはB40らしさを残しつつ息やアーティキュレーションが「ラク」で、また音色もM15を彷彿とさせる特に低音域のまとまりのよさ(Long facingの特徴なのか?)があるな、と感じました。爽快感がある、というか息に対して天井知らずなのはB40だった。
響きにダイレクト感があるのもB40か。

とくに関連がない写真をはさんでみる

ちなみに日本中でよく使われていて実際取り回しのいい5RVlyreは、facing「中」opening「ふつう」。尊ぶべき中庸といったところでしょうか。

僕の結論としては、
B40lyreはB40ユーザにとって比較的手軽に音色を(暗い方向に)変えられる一つの武器になる可能性がある
音色が明るすぎて悩んでいる人は特に試す価値あり。
というところでしょうか。



さて、ビデオ講座の続きをみるとしますか