二週間で二つの演奏会に出かける贅沢をした。
二度とも、指揮はフィンランドのピアニストで指揮者であるRalf Gothoni。
演目は以下のとおりでした。
1/26
ベートーヴェン:コリオラン序曲
同 :ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲
(アンコールとしてシベリウス:悲しきワルツ)
2/1
Kuusist:管弦楽のための"LEIKA"
同 :交響曲第八番
(アンコールとして「サヨナラは手紙で」)
どちらも行ってよかった演奏会でした。感想を少しだけ。
26日の方はポスター等ではトリプルコンチェルトを大きく扱っていたが、個人的にはウェーバーの交響曲という珍しい実演に触れたい気持ちが大きかった。
埋もれている曲でもあるし、ウェーバーにとっての主戦場は交響曲ではないはずなので、もしかしたら曲として(古典的過ぎて)つまらないかもしれないと思っていたが、意外にも色彩豊かでチャーミングな交響曲でした。ウェーバーには勝手にお堅いイメージを抱いていたのです… この曲自体に対して本人は出来が不満だったようだけど。
問題はアンコールのValse Tristéです。
OEKによる「悲しきワルツ」は2013年にも聴いていたが(そのときも良かった)、フィンランド人指揮者の棒を得てこの日の演奏は名演であった。いや、一括りにフィンランド人の指揮者と言ってしまうのは良くないかもしれないが、そうやって関連付けたくなるほどに、なんだか曲の真髄に触れていたようだった。
1日はもちろんベートーヴェン目当てで行った。
曲の内容的にも長さの点でも「田園」がメインプログラムだろうと踏んでいたのだけれど、番号順に八番がトリの位置に置かれていました。
田園は集中力の冴えわたるOEKで、美しすぎました…特に2楽章はとろとろに豊かで、忘れられない。他の楽章も良かったですが語るべき言葉がありません。
八番はライト級というか、七番と九番に挟まれて古典帰りと言われることもあるし深刻さは薄いように思っていて、この日も三楽章まではその感想なのだが、四楽章の少し雲行きが怪しくなるところで「話はそれほど単純ではない」のかなと思った。
なにしろ八番と九番の深刻さのギャップは相当のものだ。もしかしたら、八番をつくりあげた頃のベートーヴェン本人にとっても九番の深刻さは意外なものだったかも?それはないか。
ちなみにLEIKAは幻想曲風で楽しく聴けました。
悲しきワルツがあまりにも良かったため、シベリウス聴かず嫌いをやめようと思い、ベルグルンドとヨーロッパ室内管の全集を借りて聴いているけどこれいいね。