夜ふかし録

クラリネットの条件検討

sensitiveな人、「対象喪失」

11月後半の週末、朝からとても調子が悪く、昼休みの講義室で涙が流れてきたりする大変な日があった。講義があがってから角間の図書館についている喫茶店で本を読んでいたら、偶然友人にみつかった。
僕を見るなり「大丈夫?!」と声をかけてきたから驚いたのです。
おそらく宝町の友人たちで僕の状態に気づいていた人はいない気がする。
その人と他の友人とではふだんの接し方が違うからということもあるだろうけれど、ひと目でヒトの状態を察知する感覚の鋭さは並外れている。そしてそのときの自分にとって非常に助けになったのです。




思えば、今年(2012年)が始まったとき僕が思い描いた「今年のテーマ」は「感覚を磨くこと」でした。
音楽に関係するところでは、ある程度成功したと思う。
しかし… 人間関係での感覚というのは。それがしっかりアンテナとして機能していれば、防げたことがあったのではないか?と考えてしまいます。


ちなみに喫茶店で読んでいたのは図書館で借りた「対象喪失」という新書だったのですが、これは名著なのではないでしょうか。
大切な人(依存や敬愛の対象)を失ったあとに起こる心の動きがどのようなものか、またそれを乗り越え克服した例について、フロイトによる研究の紹介などが記されています。
僕が読んで助かったのは、自分の悲しみは異常なものではない、と思えるようになったこと。
大切な人を喪失することがもたらすストレスがどれほど大きいか、なかなか当事者以外には想像できないものらしいので、そういった事で苦しんでいる方には助けになるかも知れません。