吹奏楽ではクラリネットといえばほぼB管だが、オーケストラではA管とB管を持ち替えて使う。
A管はB管よりやや(数cm)長く、音色はやや落ち着いた印象になる。この変化は文章で伝えづらいが、長さの変化が数cmのわりに、感覚的には意外とバスクラっぽさが強くなる。
A管はB管に比べると商品としての「球数」が少ないみたいで、良いものに出会えるかは時の運もあるらしい。
私のA管はB管(RC prestige)と同時に買ったRCだけど、同じRC系だから吹き心地も似てるだろうと思いきや、個体差なのか何なのか、案外感覚が違う。
選定してくれたあるプロ奏者は、「A管のわりに軽く鳴るので持ち替えが楽だろう」というコメントとともに選んでくれたのだが、今思うと「軽く鳴る」というのが良かれ悪しかれだった。
たしかに、軽く鳴るのだが、同じリード・マウスピースでそのままB管に持ち替えると、焦点が合わないというか、奏者が合わせないといけない。例えると、だいたい同じ度数だけど微妙に見え方が違うメガネみたいな…。
そもそもA管とB管で違う楽器だから多少の調節は必要だが、音色とか他のところでの操作性でよほど理由がない限り、スムーズに持ち替えできる楽器を選ぶのがいいんでしょう。
もう一歩踏み込むと、私のA管(RC)は、B管と個性が違うという以上に少し癖の強い楽器なのではないかと訝しんでいる。というとA管に怒られる気もするが、選んでくれた先生の言うとおり「軽く吹ける」んだけど、ピアノからフォルテまで、低音から高音まで同じように楽に吹けるかというと、ちょっと疑問符なんである。sweet spotが狭いというか。コントロールの幅が狭いというか。自分の腕も誉められたものではないのですが。