夜ふかし録

夜がふかまると目が冴えてくる

楽器のオーバーホール

2月のことだけど、楽器をオーボーホールした。主治医は都内某所の工房。

 

自分の楽器は2009年3月に購入したBuffet CramponのRC prestigeとRCで、今年で9年目になる。RC(A管)は現在、人に貸していて手元にない。友人の結婚式が3月にあり、それを控えて、久しく調整に出していなかった楽器をメンテナンスしようと楽器屋に持ち込んだのがきっかけだった。

 

 当初の見立てでは、古くなったタンポの交換やキィバランスの調整程度で、まぁ1万円程度で、その場で1時間程度で終わるだろう(外来受診で済む)と考えていたのだが、購入店でもあった最初の楽器屋で「オーバーホールが必要で、5万円くらいかかる」と言われてしまった。「またまた…」というのが感想で、でも確かに買ってから時間もたち、それまで細々とした調整はしていたものの、直近2年くらい調整に出していなかったから、そう言われると不安になった。

 楽器屋さんというのはけっこう気まぐれでオーバーホールを持ちかけてくることがあると思っている。また、オーバーホールはすればいいというものではなく、やると性格が全く変わることもある、大きな修理だ。だから、まずその判断が妥当か、そして、妥当であるとしてもそれをそこに任せていいか、という2つの問題がある。

 

 そのお店は購入した店であり、信用はおけたが、数万円のお金をかけて行うことなので、別のリペアマンの意見も聞きたかったので、2軒目に持ち込んだ。金沢にいた頃に師事していた先生から紹介されたことのある、個人工房。そこに楽器を持っていって、ケースを開けた瞬間に「これはオーバーホールですね」と言われた。どこでそれを判断したのか今でも不思議だけど、なんとなく説得力があったのと、何しろセカンドオピニオンも陽性だったから、もうオーバーホールしよう、と思った。当然、入院治療だ。オーバーホールだから、ICU入室みたいなものだと思った。演奏の感覚が変わる不安はあったが、任せるならその工房以上のところはないと思ったので、その店に任せた(リペアの技量の点で信用できるし、それ以上に先生から紹介された店という意味で自分を納得させる物語があった。医療でもたぶんそうだけど、物語は大事)。

 

 結果的に、ものすごく良くなった。5万円強のお金がかかったけれども、それを払うだけの価値はあったと思う。リペアマン本人も「新品と同じか、それ以上に良くなったはず」といっていたが、それは嘘ではないと思った。

 感覚としては、まず息の効率がよくなった気がする。入れた息が音になる割合が2割増しくらいになった感じ。2割増しは言いすぎかも…でも、より音が濃くなったというか、スカスカじゃなくなったというか、そういう感覚はある。

 また、発音のレスポンスが良く、かつ正確になった。オーバーホール前にはなんとなく裏返りやすかった音が、裏返らなくなり、発音しづらかった音が、発音しやすくなった。なんだこれは、と思った。自分のせいじゃなかったのか、とも思った。(ただし、同じ悩みを先生にぶつけたところ、先生が自分の楽器を吹くとその問題は発生しなかったので、やはり腕も関係してくる。)音色そのものの改善はない…それはやはり奏者に依存するからだろう、当然だと思う、だが、音の密度というか、凝縮感みたいなものは、1割増しくらいになった気がする。

 

 というわけで、初めてのオーバーホールは大成功だった。今回はB管のみだったが、A管もぜひやってもらいたいと思う。

問題は、演奏する機会がいま激減していることです。

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