夜ふかし録

クラリネットの条件検討

細い音色

細みの音色もいいなぁと思い始めた。

 

今までは、どちらかといえば太めの音というものを志向していた。

太ければいいというものでもないのだが、存在感と包容力(月並みな表現だが)がなければクラリネットらしさが伝わらないんじゃないか?と思っていたので。

 

今年はオーケストラをよく聴いているのだけれど、オケのクラリネットはいろいろな音色で成り立つ。都響アンサンブル金沢、マリインスキー、日フィル、N響、当然ながらどれも異なっていて、だけど傾向でいえばなんとなく分類できそうな気もする。

 

 自分が魅力を感じた「細身の音」は日フィルとマリインスキーのクラリネットだった。

細身というのはもちろん痩せているということではなくて、配分の度合いといえばいいだろうか。キラキラする音色で、後列的というよりは前列的な鳴り方だと感じる。

 

細身で響く音というのは、特に高音の弱奏ではフルートに近い音色になると自分は思う。自分の耳には、どの楽器でも名手の音は遠くで聴くとフルートに近くなっていく。

だとすれば、オケのクラが細身の音色であるというのは楽器としての個性が薄くなる方向ということになる。

そのほうが木管セクションとして音色がよく混ざってオーケストラに貢献するという面もありそうだ。

細いだけでなく、細マッチョ。

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