夜ふかし録

クラリネットの条件検討

OEKのシューベルト

土曜日の昼は友人とともに、ギュンター・ピヒラーを指揮に迎えたOEKを聴きに音楽堂へ。

シェーンベルク「浄夜」(弦楽合奏版)、ハイドン交響曲81番、シューベルト7番(「未完成」)というプログラムで、わりに渋い部類か。

浄夜は生演奏は初めて聴くのもあって少し聴き疲れしてしまったのですが、ハイドンシューベルトはOEKの面目躍如といってよい演奏だったと思う。

特にシューベルトが非常に素晴らしく印象に残った。これは、自分が足を運んだ演奏会の記憶のなかでも特異な印象で、これはすごい、知っている曲の知らない側面を目の前で完全な形で提示されている、というような気持ちとでもいうか…


ピヒラーさんの示す構成の仕方がまず僕にとって刺激的で、そのうえでOEKが素晴らしい仕事ぶりだったから、試験の合間にシューベルトでも聴いて癒されようなどという魂胆でいた僕は喝を入れられた気持ちになったのでありました。

ただ、今の自分は、ピヒラーさんの示すシューベルトを分析できるほど演奏を遠巻きには鑑賞できなかった。目の前の素晴らしさに心が痺れてしまって、全身全霊で聴かなければならなかったし、それが気持ち良いことでもあったのです。


2楽章での木管は痺れるほどに素晴らしかった。あんなにずっと浸っていたいと感じる時間は、なかなかない。