夜ふかし録

クラリネットの条件検討

夏、室内楽

一昨日は県の音楽堂で、クラリネット奏者遠藤文江さんの演奏会があった。

 

フランス音楽をテーマとしたプログラムで、ドビュッシーショーソン、ミヨーのほかシャンソンが3曲。

遠藤さんと同じくOEKの団員であるヴィルジル・ドゥミヤックさんのヴァイオリン、鶴見彩さんのピアノを伴った。

 

冒頭を飾ったのはドビュッシー(第一狂詩曲)、この曲はたくさん録音も出ている曲だが、録音によっても曲順の最初にあったり最後だったり中ほどだったり、演奏によってもずっしり、軽やか、幻想的、鋭利、どの性格でも演奏できるような多面的な(逆に言えば捉えどころがはっきりしないとも言える)曲だと思う。

この演奏会では冗長さや漫然とした味付けは避けられ、シェイプは常に保ちつつ、曲のもつ幻想的な雰囲気も伝える演奏で、夏らしい軽やかさだったと思う。実体的だ。

ドゥミヤックさんの演奏を聴く機会は初めてで、また聴きたいと思う演奏だった。

シャンソンにおいては独特の間のとり方もあったと思う。(フランス流を体現しているものなのだろうか)

 

知的だが固くない演奏、というのは、本当にかっこいいものだ。