夜ふかし録

クラリネットの条件検討

OEKのベートーヴェンチクルス

昨秋にはじまったチクルスだけど実はここまで皆勤賞。7, [6,8], [4,5]という順番で、チクルスも折り返しました。

毎回、気合の入ったOEKの集中力を目の当たりにしています。

毎回いい演奏なのでどれも印象に残っているだけど、この3月の4,5番は特に素晴らしかった。指揮の井上道義さんも「よくやった」というほどだった。

これまで6、8番はゴトーニ、ほか3曲は井上道義の指揮だったが、道義さんのベートーヴェンはストイックなテンポ設定で、一貫した意志が感じられるのは気のせいだろうか。もう少しテンポを落とせば「ウケる」ところで決して手綱を緩めない。

あくまでこのテンポなんだ、という最初の意志があり、その制約のなかで遊ばせるとでもいうか。ベートーヴェンは古典派なんだよ。と説かれている気もする。

そんな方向性での4番、2楽章。あのデリケートな張り詰め方とそのあとに訪れる安らぎは、そういった試みが結実したバランスだったのではないでしょうか。

素晴らしかったです。

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