夜ふかし録

クラリネットの条件検討

クラリネット

M15と56 rue Lepic

前回の記事の続編。 「56 rue Lepicの4番」を新しく1箱買って、M15との相性をみてみよう!と考えたものの、正直、黒箱の4番なんて、M15以外には合うマウスピースあんまりないな…(硬さ的には5RVLで使えそうだけど、例のサイト的にはAmerican cutとFrench lay…

M15-B40L-B40

前回のエントリに続き、マウスピースの比較。 今回はM15を加えて、比較してみることにした。 M15はMシリーズのマウスピースで、以前の記事でいうところのAmerican facing curveを持つマウスピースに該当する。 全体の印象 M15は「息の通り道」がせまく感じら…

執念

このブログを読み返すと、クラリネットのマウスピースとリードに関する執念がすごい。 同じような内容を年余にわたって繰り返し書いていて、ちょっと常軌を逸した感じもないではない。 自分が何をしたいかというと、クラリネット奏者を悩ませる「リードとマ…

5RV L-B40L-B40

総合的な印象 5RV L、B40Lは音のフォーカスがつきやすく、吹奏感としてのリードの鳴るツボが吹き手にわかりやすい。 B40は息が制限される感じが少なく、息の入力に対して音の変化が柔軟に感じられる。音のフォーカスやリードの鳴るツボは、5RVLとB40Lに比べ…

Reedのdesign profileに関する海外の情報

前回のエントリ以来、メジャーなリードブランドのプロファイルによる傾向の違いが気になって、検索エンジンで調べてみた。検索につかったkey wordはclarinet, reed, profile, vamp, blank, facingなど。 すると、下記のウェブサイトがひっかかり、ある程度ま…

レゼルヴクラシックの意味?

久しぶりにクラリネットを練習した。時間がなかったのでてきとうに吹いただけ。 リードもなんとなく手に取ったレゼルヴクラシックの3.5。 すこし古い個体で、演奏会には使えないものだが、音は出るし反応もいちおう返ってくるものだった。 いま、自分の目指…

リードのゆがみ

一見、特に問題のないリード。 先端(ティップ)をよくみると、波打ったようにゆがんでいる。 裏からみるとこのように。 良いリードでも、このように先端がゆがむと、息に対する反応がまったく変わってしまう。 湿らせて、平らなガラスの板(リードケースの板な…

A管の話

吹奏楽ではクラリネットといえばほぼB管だが、オーケストラではA管とB管を持ち替えて使う。 A管はB管よりやや(数cm)長く、音色はやや落ち着いた印象になる。この変化は文章で伝えづらいが、長さの変化が数cmのわりに、感覚的には意外とバスクラっぽさが強く…

リード選び

発音しやすいものを選びましょう スタッカートがしやすいものを選びましょう 音量の変化がつけやすいものを選びましょう 音色の気に入るものを選びましょう 一般的に言われている「リードを選び方」は、以上のようなものだと思う。 リードの種類は銘柄と、同…

良し悪しの見分け

リードやマウスピース、楽器のことをつらつらと書いている。楽器は、何かとモノで悩むことが多い。管楽器雑誌でプロのどなたかが、「我々は自分にとってちょうどいい抵抗を求めているんです」と言っていて、なるほどと思った。 リード、マウスピース、楽器。…

若手

橋本杏奈さんという日本人クラリネット奏者がいる。ロンドンを拠点に、ソリストやオーケストラの客演奏者として活躍しているようです。 自分が高校生だった頃にはすでにCDを出していたと思う。池袋のHMVに置いてあった記憶がある。 ジュリアン・ブリスやハン…

音をあらわす言葉づかい(2)

以前の記事の続きです。 私の疑問は、「まるい音」とか「太い音」というのがどういうことなのか?それをある程度客観的に評価する方法はないのか?ということ。 客観的に評価するための、現時点でもっとも手軽で強力なのは練習を録音することでしょう。自分…

ダダリオのリード

クラリネットのリードはバンドレン社がとても有名だが、同じくらい有力なのはダダリオウッドウィンズというブランドだ。むかしはRICOという名前だった。 数年前にダダリオ社が買収したようで、その後は現在のブランド名になった。 www.daddariowoodwinds.jp …

音をあらわす言葉づかい(1)

物事の上達には客観的な視点が必要不可欠です。自分のアウトプットを振り返り、理想と現実の違いがどこにあるのか?何を変えれば理想に近づけるのか?など、楽器に限らず必要なプロセスです。 定量的な評価がカンタンなもの—テストの点とか、短距離走のタイ…

新譜

クラリネット奏者のソロアルバムが発売されることはそんなに多くないが、オーケストラの首席奏者は数枚出していることがある。 プロのワザをじっくり堪能できるソロアルバムは個人的には大好物でして。 パイパーズのレビューなどでチェックしているんだけど…

理想の吹奏感

前稿ではリードのお話。 このエントリーでは、楽器そのものに関する疑問と考えをメモしておく。 私はBuffet CramponのRC prestigeという楽器を使っていて、もう11年経つ。その前は学校備品のRCだった。ということは15年以上、RC系統の楽器を吹いている。 ほ…

リード調達の哲学

年々暑くなっていて、夏負けもひどくなっている。こんなんじゃ仕事になりませんよ…… 相変わらずの仕掛けで細々と練習しているけど、クラリネットはリード楽器、リード楽器はリードが命。良いリードが複数あれば精神も安定するし、一枚もなければ、本番が控え…

吹奏感覚

練習の頻度は順調なときで週1回で、今回は2週間空いてしまった。週1回でコンスタントに練習できると、なんとなくリードと吹きごたえの感覚がつながるのだけど、2週間あいてしまうとかなりボケてしまう。 だいたい高校時代などは、1日サボると3日分下手クソに…

Tommy Emmanuelの逸話

Tommy Emmanuelというのは、スチール弦ギターの名手で現役奏者のトップランナーといわれる一人だそうだ。(まだギターのことはよくわからないが、初心者の私でもその名前を知ることになるくらい有名なのでしょう) そのTommy Emmanuelの発言とされるもので、興…

エチュード(1)

ふだん練習に使っているエチュード(教則本)を紹介してみる。収集癖があるので、たくさん持っていますがさらっているのは一部です。積んエチュード。 ①ランスロ 25のエチュード Trans Atlanticque社版。 フランスのクラリネット奏者ジャック・ランスロ(Jacque…

練習場所に応じた工夫

レンタルスタジオや公設の練習場などは、木やタイルのゆかに石膏やモルタルの固い素材の壁でできていることが多い。こういった場所は響きがデッドすぎることもなく、お風呂のようにワンワン響くわけでもなく、管楽器の練習をしていて違和感は少ない。 楽器の…

リードならし

新品のリードの扱いは慣れが必要だ。 まず、「ならし」が必要で、いきなり演奏の実用には使えない。耐久性もないといわれているし、吹きやすさも本来の性能を発揮できていないものが多い。 世間で言われていること 「ならし」は色んなやり方が言われていて、…

B40とB40 lyre

クラリネットのマウスピースのお話。 名前の通り、この2つのマウスピースは、B40を基本に、ロングフェイシング化されたものがB40 lyreと捉えることができる。 バンドレンのカタログでは、B40はフェイシング:ML、B40 lyreはフェイシング:Lとなっている。一方…

リードのかび—日本の夏

私は新品のリードをならすのに、しばらく水につけてから乾かすというのをやる。 リードの調子を一定に保つためには、食品保存用のフリーザーパックが有用といわれていて、実際私はそれでリードの寿命が延びたと感じている。 この工夫の組み合わせの注意は、…

リードの探求

メインでつかうリードはV.12の31/2でほぼ決まっているんだけど、ダダリオやバンドレンは数年に1回新製品をだすし、奏法をチェックする意味でも、常に複数種類のリードを試すようにしています。 V.12以外にも、旧リコのThick blankや、レゼルヴ・クラシックは…

社会人になってからのクラリネット練習

学生時代は、暇があれば24時間音出し可能(山の中にあるので)なサークル棟で楽器の練習ができたし、なにより暇がたくさんあった。 働き始めてからはまず自由な時間というのがあまり多くはないし、あっても「サークル棟」にあたる場所がない。 カラオケやスタ…

首席奏者のマウスピース遍歴

池袋の淳久堂書店に行ってみたら、パイパーズの記事が目を引いた。「三界秀実のマウスピース遍歴」 三界秀実さんは東京都交響楽団の首席奏者で、仕掛けにすごく凝っていることは比較的有名だと思う。楽器は長いことSelmerだったはずだけど、最近のSelmerのカ…

楽器のオーバーホール

2月のことだけど、楽器をオーボーホールした。主治医は都内某所の工房。 自分の楽器は2009年3月に購入したBuffet CramponのRC prestigeとRCで、今年で9年目になる。RC(A管)は現在、人に貸していて手元にない。友人の結婚式が3月にあり、それを控えて、久し…

カルボナーレの教則本

昔から欲しかったもので、なんとなく気分が乗ったので購入。自身がクラリネット奏者として第一線で活躍するAlessandro Carbonareが書いた教則本で、「音色」にフォーカスしている点が今までの教則本になかった着眼だ、みたいなことを言われていた気がする。 …

苦手なリード

(前提として、マウスピースはB40と5RVLyreを使っています) もともとバンドレンの青3や銀31/2を使うことが多くて、その後リコの赤や銀を使ったりもした。これらのリードは、硬さの合う合わないはあるが、吹き方としては大きく変わらない印象。 バンドレンのル…